別れさせ屋の仲間になった私の結末

Card 26 ♥︎ イジワルナオトコ

「お似合いだよな」

ベビーピンクの髪の向こうで、大きな瞳が私の反応をうかがっている。

笑ってはいるけれど、意地悪な表情。

さっきも私が即答で仲間になったとき、この人は「さすが」と口にしていた。

──さすがストーカー、すぐに返事をした。

とでも言いたげに。

「そうだね、美男美女で絵になるね」

感情的にならないよう落ち着いて答えると、案の定、ミカモくんはニヤニヤと口元を緩めた。

何か言いたげな表情を見ないようにして、階段へと歩く。

「あのふたりってさ、高校に入る前から知り合いだったみたいで」

後を追うようにしてついてくるミカモくんは、話しながら私の顔を覗き込む。

「中学は別だったらしいんだけど、一体、どういう関係なんだろーね」

まっすぐ前を向いているけれど、声には笑みが混じっているから、顔を見なくても面白がられていることがわかる。

無反応だから、つまらなさを感じたのかもしれない。

ミカモくんはぴょんと数段早く階段をおり、私の目の前に立ちふさがる。

そして、

「“元恋人”だったりして」

真正面から不安をあおるような言葉を囁いてきた。

「ミカモくん……私のこと、ストーカーだと思ってるの?」

相手にしないと決めたばかりなのに、こらえきれず、たずねてしまった。
< 66 / 134 >

この作品をシェア

pagetop