別れさせ屋の仲間になった私の結末
「ビックリさせちゃった? 私、こういうお店は似合わないから」

「あっ、別に! そういうわけじゃ!」

失礼な態度をとってしまったのかも。

苦笑いを浮かべた潤さんの言葉を慌てて否定すると。

「でも、私って生クリームたっぷりのパフェより、紅茶やブラックコーヒーのほうが似合うでしょ?」

「……イ、イメージはそんな感じですけど」

見透かすような表情で聞かれてしまうと、嘘の返事はできなくて、正直にうなずいてしまった。

「いいのよ、気を遣わないで。いつも言われていることだから」

「“いつも”?」

「生徒会のメンバーがね、“イチゴオレがここまで似合わないとは”ってからかってくるの。……私、甘い物が大好きで、イチゴオレは毎日飲んでるから」

「“イチゴオレ”……」

学校の自販機で打ってる紙パックのジュースのことだと思うんだけど、あれってすごく甘かったような……。

1年の頃に一度だけ買って飲んだことがあるんだけれど、私には甘すぎて、それ以来、買っていない。

「ちなみに、コーヒーは苦くて飲めない。紅茶は飲めるけど」

「……意外」

「でしょ。姉はブラックコーヒーをよく飲むわよ。私と真逆で甘いデザートとか食べない人なの」

「そ、そうなんですか?」

「うん。ふたりでカフェへ行くと、必ず、私の前にコーヒー、姉の前にデザートを置かれてしまうけどね」
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