淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
もちろん相手の手帳を盗むことも、相手のあとをつけることも悪いことだとわかっている。
だけど、まともに会話してくれない相手から彼女の有無を聞き出す方法はどうしても思い浮かんでこなかったのだ。

自分が卑劣なことをしているのは理解しているけれど、そんなのサキュバスの血を引いている麻里奈にとっては今更というところだった。

鈴子にもよく言われているではないか。
『性格以外は完璧って感じ』と。

そんなことを考えながら後をついていくと戸倉瑞樹はマンションから少し離れた場所にある喫茶店へ入っていった。
焦げ茶色の三角屋根の外観はレトロな印象を与えるけれど、たしか5年前にできたはずだ。

ここへ来るのは始めての麻里奈は10分ほど感覚を開けて店内へと足を踏み入れた。
カランコロンとこれまたレトロな鈴の音が鳴って、奥から焦げ茶色のエプロンをつけた若い女性店員が出てきた。

「いらっしゃいませ」
< 107 / 184 >

この作品をシェア

pagetop