淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
だけど今日は本人が自覚する体調変化があるみたいだ。
やっぱり本格的に風邪をひいたのかと思って体温計を持ってくるものの、見事に平熱だった。

「どんな感じで辛いの?」
「心臓がドキドキするの」

「動機?」
「そうかも。でも今は平気」

「さっきまではしんどかったのに?」
「なんでだろう。戸倉瑞樹と一緒にいるときだけ動機がするの」

そう言って自分の胸のあたりの服を両手でギュッと握りしめる。
それを聞いた鈴子は麻里奈から身を離した。

「ドキドキは戸倉さんと一緒にいるときだけ?」
コクコクと頷く。

「今日も、それでしんどくなって帰ってきたの?」
「そうよ。ねぇ、私なんの病気だと思う?」

すがるように聞いてくる麻里奈に鈴子は呆れたため息を吐き出した。
「それはね恋してるからそうなるんだよ」
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