淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
仕事熱心
それからの麻里奈は早起きはしなくなった。
だけど清楚系ファッションとメークは気に入ったようで、毎日研究を重ねている。

「夢園さん、5店舗目の話が進みそうなのよ」
帰り際に店長からそう声をかけられて麻里奈は立ち止まった。

「そうなんですか?」
「えぇ。明日からはあなたに店長としての勉強を始めてもらうことになるんだけど、大丈夫かしら?」

店長候補ということは聞いていたけれど、その話が一気に進んでいたようだ。
麻里奈は目を輝かせて「もちろんです!」と頷いた。

恋に破れた麻里奈にとって今は仕事が生きがいだった。
今でもサキュバスとしての血がたぎってどうしようもなくなるけれど、そのときには自分で自分を慰めることにした。

今はまだ、戸倉瑞樹以外の男に触れられたくはないから。
でもいずれ、それも治ることだろう。

「あ、あの、私が店長になれたら服のデザインの話もできるでしょうか?」
「服のデザイン?」
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