淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
秘密の力
その夜、どれだけ今までの男が連絡してこようが全く反応を示さなかった麻里奈が隣人の顔を思い浮かべていた。
ちらりとみただけだけど確かにかっこよかった。

麻里奈の理想通りだと言っても過言じゃないくらいに好みのタイプだったことは覚えている。
隣に立った時に感じた身長は185センチくらいだろうか。

ハイヒールをよく履く麻里奈は、ヒールを履いた状態で170センチになるから丁度いい身長差だ。
見た目だって並んで立っても遜色はないはずだ。

残念なのが、スーツの上からではそのスタイルを完全に見破ることが難しいところだった。
決して太ってはいなさそうだけれど、お腹が出ていても隠れているはずだ。

ベッドの中で麻里奈はう~んと逡巡してから「よし、決めた」と、小さな声でつぶやいた。
とりあえず次のターゲットに戸倉瑞樹を選ぶ。

もし自分好みの体型をしていなくても、どうせ1度きりの関係だから妥協すればいい。
そう決まれば次にすることはすでに決まっていた。

麻里奈は目を閉じて戸倉瑞樹の顔を思い浮かべた。
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