淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
戸倉瑞樹の顔を真正面から見たのはこれが始めてだったけれど、やはり麻里奈好みだ。
スッと通った鼻筋に少し大きな目。

黒目の方が大きいから背が高いのに小動物みたいな可愛らしさがある。
思わず戸倉瑞樹の顔に見とれてしまい、ボーっとしてしまう。

「あの……」
「あ、ごめんなさい!」

自分が戸倉瑞樹の行く手を遮るように立っていることに気がついて麻里奈はすぐ横に避けた。
戸倉瑞樹は軽く会釈をしてエレベーターへと歩いていく。

その後姿をほうけたように見つめていた麻里奈だったけえれど、ようやく我に返り、戸倉瑞樹の後を追いかけた。
「お、おはようございます。私隣の部屋の夢園麻里奈です」

隣に立ち、エレベーターの到着を待ちながら自己紹介をした。
「隣の? 隣は立川さんじゃないんですか?」

「私と鈴子はシェアハウスをしてるんです」
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