最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
 なぜ『空腹』を感じているのだろうか。気のせいかと思って『寝返りを打った』ら、その途端に、体中に激痛が走った。

「いってええええええええ!?」

 叫んだ瞬間、またしても内臓がギシリと痛んで喉もヒリヒリした。痛みのあまりシーツを握り締めるが、とにかく涙が出るほどに耐え難い激痛だ。

 え、え? というか、なんでこんなに痛いの?

 指一本すら動かせないこの痛みは、古い記憶の中に覚えがあった。これはまさに、訓練で身体が慣らされる前に感じていた、悶絶級の筋肉痛そのものである。

 辺りに目を向けてみると、そこには見知らぬ寝室の風景が広がっていた。清潔なベッド、高さのある天井、腕につけられた点滴のそばには、稼働が止められた医療機械が寄せられて放置されている。

「え。何これ、どういうこと――…………ッ」

 びっくりして思わず飛び起きようとしたサードは、再び激しい痛みに襲われ、ベッドの上で「ぐぉおおおお」と悶絶した。

 同じことを短い間に二度やったのを思って、自分は馬鹿なのだろうか、と呟いてしまう。
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