祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~
 まさかの付き合う前のプロポーズにも動じず、ジュリアスは肩を竦めて頷いた。

「現在、どっち寄りです? 私のこと良いなって、少しでも思います?」

 あー……乙女ゲームみたいに、ジュリアスの好感度見えたらなあぁ!! 上がったり下がったりも、リアルタイムで見られたら良いのに。

「……聖女様は、なんだか恋に積極的なんですね。今まで、そんな風には見えませんでした」

 あまりにも突然強引に迫りすぎたせいか苦笑したジュリアスに、私は何度か頷いた。

「だって、私はこれまでの人生で告白すべきところで何も言えなくて後悔したこと、何度かあるんです! どっちにしてもいずれ後悔するなら、自分の言いたいことを言うべきかなって思いました」

「……今までは、何も言えなかった……と?」

「そうです。だから、ここでジュリアスに振られても、私は言いたいけど言わなかったという後悔はしなくて良くなるんです。それに振られても異世界から帰るだけなので、もう顔を合わせることもないですし……」

 そういった意味で、私のジュリアスへの告白はデメリットが少ない。とは言っても彼は、私の恋心を馬鹿にするような人には見えないけど……どこだかの、エセルバードとは違って。

「確かに後悔は……しない方が良いですね……」

 ジュリアスはそれから物憂げになんだか考え込み、私はそんな彼を観察するので精一杯になってしまった。

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