祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~
 どんなに情報を仕入れてホワイト企業だと噂されていても、入社して配属された部署ガチャが外れれば、それでゲームオーバー。

 出来れば第二新卒までで、ガチャで当たりを引かなきゃいけない。なんて、残酷で血も涙もない運ゲーなの。

 とにかく、これからの未来を絶望しようと思ったらすぐに出来てしまうくらい、わかりやすい結末が辛すぎる。

 今は要らない情報が溢れすぎていて、生きていくのがとてもしんどい。

 異世界に召喚されて、楽な救世の旅を終えたら、時間も違わずに元居た世界に返してくれるらしい。

 けど、私はこの世界に来た時からずっと考えていた。

 元の世界になんて、帰らなくて良い。このまま、この世界に居たいんだって。


◇◆◇


「……ジュリアスにこの世界に残りたいし好きだと告白したら、避けられるようになりました。どうしたら良いでしょう」

「そうですか……私にはそれをどう言って良いのか、わかりませんが……」

 深刻な顔をした私に呼び出され、もしかしたらとんでもないことがあったのかと思って居たらしいハミルトンさんは、何十も違う私の恋愛相談を受け目が完全に泳いでしまっている。

< 40 / 123 >

この作品をシェア

pagetop