祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~

13 選択

「実は僕もその現場の近くに居たんです……止められなかった。ですが、あの司祭も王族に対しやり過ぎました。王族への不敬罪で斬られてしまっても仕方のない方法で、しかも城の中で殿下を糾弾したんです」

「けど……亡くなったのは、国民的に人気のある司祭様だったって」

 前にハミルトンさんにその事件のことを聞いた時に、彼はそう言っていたはずだ。

「そうです。ですから、彼とて自分が殺されるとまでは思って居なかったのでしょう。ですが、この事件を知った陛下も、この顛末を国内外へ知らせることを渋りました。王家の権威は失墜は免れず、亡くなった司祭とて勝手な正義感でした越権行為を責められることになるでしょう」

「けど、エセルバードのやったことは許されることではないと思います……いくら彼が幼い年齢でも」

「ええ。ですが、司祭が城に直接やって来て不道徳な行為を、直接殿下へ糾弾してしまうのは筋が違います。だから、陛下は司祭や神殿のためにもこの事を伏せるべきだと考えたんです」

「だからって、ジュリアスだけが犠牲になるなんて……」

 信じられない。納得がいかない……第三者の私だってそう思うんだよ?

< 85 / 123 >

この作品をシェア

pagetop