祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~
「皆……知ってますよ。聖女様のなんらかの祝福で、若返ってしまったことは知ってますよ。息子が来た話は、そういうことにしようとは思っては居ます……皆」

「えっ……そうなんですか!」

 けど、エセルバードだって気がついていたくらいだし、騎士団の皆さんが気がついていない訳……なかった?

「本人ですから、咄嗟に出てくる言葉が団長なんですよ。別に悪気があって黙っている訳ではありません。何か事情があるのだろうと、皆知っているんですよ」

「ジュリアスって、エセルバードという災厄を引き受ける代わりに……他が恵まれているのかもしれないですね」

 私がしみじみと言ったら、ハミルトンさんも頷いた。

「間違いありません。団長はあの王子の世話係になった代わりに、神からすべてを与えられています」

 私たち二人は「そうだよね」と、何度かうなずき合った。

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