時々逆転【BL】




 きっかけは、そう。
 とても些細なことだった。



 小さい頃にアリの群れが、蜘蛛一匹に群がっているのを見たとか。

 他の国では一夫多妻制が認められているとか。



 自分の価値観と周りの価値観が合っていないことに気がついたのは、そう。

 とても些細な事だったんだ。




____





「あ、の! 好きです、付き合ってください!」




 高校、一年生の春。
 入学1日目だと言うのに、初めて会った人達から告白された。


 今日はこれで何人目だろ。
 そんな事をぼんやりと考えながら、笑顔を浮かべる。




「ごめん、心に決めた人がいるんだ」




 告白を断る時のテンプレ。
 今日一日だけで何度も口に出した、疲れた。




「そう……ですか…」


「でも、是非友達から始めて欲しいな。…俺してるの、叶いそうにない恋だから」




 勿論、嘘だけど。
 後から悪い噂でも流されたら困るし、そうなった時の後片付けがすごく面倒だし。




「う、うんっ! よろしくね、これから!」
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

ある日、死神さんが私に言いました。
やな/著

総文字数/1,029

恋愛(キケン・ダーク)1ページ

表紙を見る
小動物系男子(女子)と放っておけない男子
やな/著

総文字数/2,265

恋愛(逆ハー)5ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop