イケメン過ぎる後輩くんは、可愛い先輩を甘やかしたい。
我慢できない。

「彩美先輩?」

「!大成くんっ」

 教室に依澄くんがいなくて下駄箱に急いでいたところを、サッカー部のユニフォームを着て教室から出てきた大成くんに声をかけられた。

「そんな急いでどうしたんですか?」

「あっ、えっと、」

「……もしかして依澄?」

「うん……!どこにいるか知ってる?」

「依澄は……えっと……」


 大成くんがちら、と外に目配せをした。

 その視線を辿って、ハッとする。


 廊下の窓の外。 裏門のところでララちゃんと向かい合う依澄くんがいた。

 こちらに背を向ける依澄くんに向かって、ララちゃんが涙ながらに何かを話している。


「っ、」


 考えるよりも先に、体が勝手に裏庭へと走り出す。
 
 
「あっ、先輩!?」
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