イケメン過ぎる後輩くんは、可愛い先輩を甘やかしたい。
「元カノとか周りとか関係ないよ。自分がどうしたいかだよ、彩美…!」

 トモちゃんの言葉に、自分の中でつっかえていた何かが取れた気がした。

「トモちゃん……っ」

 私は涙をグイッと拭いて、立ち上がった。

「っ、依澄くんのところに行ってくる……!」

「うん……!頑張れ!」

 力強く言ってくれたトモちゃんに押されるように、私は走り出した。

「頑張れ!彩美!」

 トモちゃんの心からのエールを背中に受けて、私は一年生の教室を目指して走りだした。
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