愛でられて、絆される
「━━━━遊園地なんて、久しぶり~!」

よく晴れた日曜日。
那王と絆奈は、遊園地に来ていた。

日曜日なのもあり、人が多い。
二人は指を絡め合って手を繋ぎ歩く。

「僕も、いつ以来だろ?」
「今日は、楽しもうね!」
「うん!」


「━━━━━絆奈、絶叫系大丈夫?」
「大丈夫だよ!
でも、どっちかってゆうと苦手だから、手…繋ごうね………?」

窺うように言ってくる絆奈に、那王は悪戯心に火がつく。
「えー、どうしようかな~(笑)」

「え…!?だ、ダメ?」

「………」
(可愛い/////)

「お、お願い…」
今度は、上目遣いで言ってきた。

「……/////」
(可愛すぎ!)

「那王くん!」

「あ…/////えーと…キスして?」

「え!?」

「キスしてくれたら、手繋いでてあげるよ?」

「え、ここで?」

「うん、ここで!
頬っぺでいいから」
頬を絆奈の方に寄せる。

「……/////ここではちょっと…/////
じゃあ…」
絆奈は、那王と繋いでいる手を引いて人気のない所へ移動した。
そして、キョロキョロと人がいないのを確認して、背伸びをして那王の頬にキスをした。



「フフ…」
「……/////」

「フフフ…」
「……/////もう!那王くん!!」

「だって、凄く可愛かったから!」
一番人気のジェットコースターに移動しながら、クスクス笑っている那王と恥ずかしそうに頬を膨らませる絆奈。

「あ!じゃあ…“わざとに”ダメって言ったの!?」

「え?そんなこと…ないよ!」

「………」

「ほ、ほんとだよ!」

「………うぅ…酷いよぉ…」
絆奈が繋いだ手を離し、両手で顔を覆い泣き出した。

「え?え?絆奈!?
ご、ごめんね!
ちょっとだけ、意地悪しただけなんだ!
絆奈が可愛くて……
ごめんね!ごめんなさい!!」
慌てて、絆奈の肩を持って顔を覗き込む。

「………」

「絆奈、ごめんね!」
許されたくて、頭を撫でた。

「………フッ…」
突然、噴き出す絆奈。
「え?」

「フフ…!!
━━━━━なーんてね!仕返し~」
パッと顔を出して、微笑んだ。

「え?」

「フフ…」

「な、なんだ……僕、傷つけたと思って焦っちゃった!
………ったく…心臓に悪いなぁー(笑)」
安心したように、肩を撫で下ろした。

「元々は、那王くんのせいだよ(笑)」
「フフ…確かに…!」
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