愛でられて、絆される
甘い同棲
「━━━━いらっしゃいませ!
ん?絆奈ちゃん!」
袴田がいて、対応してくれた。

「あ、あの!
那王くん、何時頃終わりますか?」

「え?えーとね……
店を閉めてから、会議だから━━━━
9時は過ぎるよ?」

「9時……」
(あと、二時間以上ある…)

「オーナー、呼んで来ようか?」

「え?でも、今は仕事中だし…」

「今なら、大丈夫だよ!」

「あ…じゃあ……お願いします!」


店の外で待っていると………

「絆奈!!」
那王が出てきた。

「あ、那王くん!
ごめんね!仕事中に」

「ううん!大丈夫だよ!
フフ…嬉しいな、絆奈が会いに来てくれた!」

「迷惑…じゃなかったかな?」

「迷惑なわけないでしょ?
凄く嬉しいよ!」
嬉しそうに笑う那王を見て、絆奈は来て良かったと思う。


「でも、どうしたの?
何かあった?」
心配そうに頬に触れる那王に、絆奈は意を決して言った。

「会いたかったの!」

「え?」

「那王くんに会いたくて、会いに来たの!
私の気持ちを、ちゃんと伝わるまで伝えようと思って……!」

「絆奈…
うん!ありがとう!」

「そ、それでね!
今日、仕事終わったら連絡くれない?
話したいことがあるの」

「うん、でも、遅くなるよ?」

「いいよ。
いつまででも、待ってる!」

「わかった。
じゃあ、終わったら絆奈の家に行くね!」


一度那王の離れて、実家で待って……
22時を回る頃。

絆奈のスマホに那王から連絡が入った。

【今、家に向かってるよ!
あと、10分くらいで着くよ!】

絆奈は荷物を持って、実家を出た。
門を出て少しして、那王が乗ったタクシーが止まる。
「絆奈!」
「あ、那王くんお疲れ様!」

「んー、会いたかった!」
絆奈を抱き締める。

「うん、私も…/////」
絆奈も抱きついた。

「ところで、この荷物は何?」
絆奈はショルダーバッグを下げ、もう一つ大きめの鞄を持っていた。
さりげなくその鞄を取り、絆奈に問いかける。

「あ、あの!
今日、泊まってもいいかな?」

「え?」

「あ、急にごめんね!
もし、那王くんが良いなら……」

「もちろん!
今日だけじゃなくて、ずっと一緒にいてよ!」
思いがけない絆奈の言葉に、那王は心底嬉しそうに笑った。
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