愛でられて、絆される
夢にまでみた約束
結局━━━夜中の3時まで話し込んで、少し遅い朝。

「んん…」
絆奈がゆっくり目を覚ます。

「あ…起き…た、かな?
━━━━━絆奈、おはよう!」
那王の腕枕で、包み込まれていた。

「……/////おはよ…/////
由利……」

「んん?由利?」

「あ…那王…くん…/////」

「ん。よろしい!
フフ…絆奈って、寝顔も寝起きも可愛いね!
朝からヤらしい気分になるよ(笑)」

「……/////」

「あぁ、ほんと可愛い…!」
腕枕していた那王は、更に絆奈を抱き締めた。



「━━━━そろそろ起きようか?」

絆奈は頷き、ゆっくり起き上がる。
そして、伸ばされていた那王の右腕を優しくさすった。
「ごめんね、痺れたよね?」

「……………
……絆奈」

「え?あ、触る方が痛いかな?」
バッと手を離した。

起き上がった那王は、絆奈に向き直り両手を包み込んだ。
そして、顔を覗き込みながら言った。
「絆奈、僕と約束してほしいことがある」

「え?うん」

「僕に気を遣わないこと。
嬉しいことや楽しいこともだけど、悲しいことや苦しいことがあった時、僕に一番に頼って?
“心配かけるから”“迷惑かけるから”っていうのはなし!
絆奈の為なら、僕はどんなことでもしてあげたいと思ってるんだ。だから“絶対に”一人で悩まないこと!」


そしてブランチにしようと、二人で仲良くメニューを見る。
ソファに並んで座り、絆奈の腰を抱いている那王。
絆奈のこめかみや頬にキスを繰り返す。

「那王くん、早く決めよ?」
「んー、ちょっと待ってね。
もう少し、絆奈にキスしてから……」

「えー、じゃあ…私が選んじゃうよ?(笑)」
「フフ…いいよ!
絆奈の食べたい物なら、僕はなんでも構わないよ?」

結局………絆奈がほとんど決めて、テーブルの上に豪華な食事が並ぶ。

「那王くん、ほんとに良かったの?これで。
私がほとんど決めちゃったけど……」
「いいんだよ?
絆奈の好きな物は、僕も好き!」


仲良く食べて“行きたいところがある”と那王が言って、二人は街に出ていた。

「那王くん、あのスイートルームは元々予約してたの?」

「うん、絆奈を手に入れるって決めてたから」

「え?」

「あ、もちろん、彼氏がいたら身を引かなきゃって思ってはいたけどね……」

「………」
(そうだったんだ…)

隣を歩く那王を見上げる。
微笑み、見下ろす那王。

絆奈は、幸せを噛みしめていた。
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