赤金の回廊 ~御曹司に恋した庶民令嬢は愛に惑う~
「だって、安い金ですぐに別れさせろって言うからさあ。準備時間もないからキャラブレするのも気になるし。千枝華ちゃんは気がつくタイプじゃなかったけど。もっと時間があってもっと払ってくれたら、もっと緻密に計画たててじっくり別れさせられたんだけどね」
獲物を見るように千枝華を見る。彼女は思わず将周にしがみついた。
「どうやって彼女を連れ出したんだ」
「病気のふりしたらいちころだったよ。簡単」
くすくすと大和は笑う。
「彼女を連れ出してどうする気だったんだ」
「口説くために決まってるじゃん。あとは不貞の写真を撮るため。普通はホテルに入る写真を見ただけで大騒動で勝手に仲が悪くなってくれるんだけどね。君たちには通用しなかったな。うぶなお嬢さんなんてすぐに落ちると思ったのに、見込み違いだったし」
「俺を呼び出したのは」
「君が来たら俺の負け、とゴールを決めていた。来なかったら彼女を守るつもりがないってことだから俺の勝ち。傷心の女を口説くのは得意だからね。説明はもういい?」
大和は上着を手に取る。
「仕事は失敗だ。依頼人にはそう伝えておくよ」
「誰に依頼された」
「言うわけないよね。ネタばらしだけでも出血大サービスなんだから。自分で調べれば?」
大和は不敵に笑った。
「そうする」
将周もまた不敵に笑い返す。
「君たちお似合いだよ。千枝華ちゃんは無理してお嬢様になろうとするし、将周君は無理して余裕のあるふりして。もう何年つきあってんの? 素の自分を見せたら?」
二人は顔を見合わせた。
「君たちまだやってないだろ。それが原因じゃない? 彼女を大事にしてるのか、意気地なしか知らないけど」
唐突な言葉に、二人は固まって大和を見る。
「早くやることやっちまえよ。この部屋使っていいよ。一泊していきなよ。支払いも終わってる。鍵はこれ。ここまできたら逆に俺キューピッドだね」
動揺した千枝華は言葉をなくした。
「君が来なかったら彼女を口説き落として俺とお楽しみの予定だったんだけどさあ」
「黙れ!」
将周が怒鳴ると、大和は笑った。
「彼女の愛にあぐらをかいてると、愛想をつかされるよ」
笑いながら大和は出て行った。
千枝華はまばたいて将周を見た。
将周も彼女を見返す。
先に目をそらしたのは千枝華だった。
獲物を見るように千枝華を見る。彼女は思わず将周にしがみついた。
「どうやって彼女を連れ出したんだ」
「病気のふりしたらいちころだったよ。簡単」
くすくすと大和は笑う。
「彼女を連れ出してどうする気だったんだ」
「口説くために決まってるじゃん。あとは不貞の写真を撮るため。普通はホテルに入る写真を見ただけで大騒動で勝手に仲が悪くなってくれるんだけどね。君たちには通用しなかったな。うぶなお嬢さんなんてすぐに落ちると思ったのに、見込み違いだったし」
「俺を呼び出したのは」
「君が来たら俺の負け、とゴールを決めていた。来なかったら彼女を守るつもりがないってことだから俺の勝ち。傷心の女を口説くのは得意だからね。説明はもういい?」
大和は上着を手に取る。
「仕事は失敗だ。依頼人にはそう伝えておくよ」
「誰に依頼された」
「言うわけないよね。ネタばらしだけでも出血大サービスなんだから。自分で調べれば?」
大和は不敵に笑った。
「そうする」
将周もまた不敵に笑い返す。
「君たちお似合いだよ。千枝華ちゃんは無理してお嬢様になろうとするし、将周君は無理して余裕のあるふりして。もう何年つきあってんの? 素の自分を見せたら?」
二人は顔を見合わせた。
「君たちまだやってないだろ。それが原因じゃない? 彼女を大事にしてるのか、意気地なしか知らないけど」
唐突な言葉に、二人は固まって大和を見る。
「早くやることやっちまえよ。この部屋使っていいよ。一泊していきなよ。支払いも終わってる。鍵はこれ。ここまできたら逆に俺キューピッドだね」
動揺した千枝華は言葉をなくした。
「君が来なかったら彼女を口説き落として俺とお楽しみの予定だったんだけどさあ」
「黙れ!」
将周が怒鳴ると、大和は笑った。
「彼女の愛にあぐらをかいてると、愛想をつかされるよ」
笑いながら大和は出て行った。
千枝華はまばたいて将周を見た。
将周も彼女を見返す。
先に目をそらしたのは千枝華だった。