もう一度キミと青春を。
「…俺、花純のこと守るから。絶対傷つけないから」


…そんなこと言わないでよ。


勘違いさせないで。


蒼空には真中さんがいる。


惚れさせるような言葉、吐かないで。


「……さっきから何の話をしてるのか分かんない」


「…そっか。ごめんごめん。俺の勘違いだった」


ねぇ蒼空。


私の心をなんでも見透かしちゃう蒼空なら、私の気持ちもわかってる?


何もかもお見通しなんだろうね。


でも、アンフェアだよ。


私は何もわからない。


蒼空の気持ちも、蒼空が抱えてる闇も、何も。


過剰な謝り癖、蒼空にもあるよね。


体育の時、勢いよくハイタッチを求められてたじろぐ蒼空を何度か見たよ。


私にかけてくれた言葉は、本当は自分がかけてほしい言葉だったりするの?


それとも私の思い過ごし?


それに…。


体育のときも、汗ばむ気温の時も、絶対に腕まくりしないよね。


私と同じ傷を負っているから、私の心に、行動に、敏感なんじゃないのかな。


蒼空…。
 

蒼空は何を思って生きてるの…?
< 65 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop