俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
箱の中から1つ取り出すと、また箱を引き出しにしまった。
「まさか直ぐに使うとは、思ってなかったけど」
「あの・・・」
「前は拒まれたからな。もう、初めてじゃないから、ここでもいいだろ?」

距離が縮まり、あっという間に腕を掴まれ、引き寄せられた。
「あっ、ちょっと待って・・・」
「安心しろ。俺は外出だと、皆思ってるから。誰にも邪魔されないよ」

激しく唇を奪われながら、シャツのボタンが外される。
「ただ、声を出すのは控えめにな」

毎日仕事している部屋の中で、2人が愛し合う時間。
「俺もこんなこと、初めてだから・・・花純と同じだよ」

乱れた服のまま、愛おしく突き動かされる柊弥さんに、こんなところでダメだと分かっていても、体が勝手に反応して、小さく声が出てしまう・・・

「こんな俺にしたのは、花純だぞ・・・」
背中から聞こえる吐息混じりの声に、いつもと違う至極の高揚感に満たされ、秘密の時間は、記憶と体に刻み込まれた。

体に熱が残ったまま、2人でソファに腰掛け、柊弥さんが静かに話しだした。

「皐さんの事、噂で聞いてたんだな」
「はい・・・それに、仕事以外の2人の会話も・・・会議室で皐さんが泣いて話すのも、偶然聞いて・・・」
「あぁ・・・あの時か・・・」
「だから、噂は本当なんだろうって思って・・・」
「はぁ・・・そのうち言おうと思ってたけど・・・この間昇進した、海外営業の石川部長いるだろ?あいつは同期なんだ。それと、皐さんの彼氏だ」
「えっ?」
「俺が紹介したんだ。慰めてたのは、石川の事で、相談に乗っただけだ」
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