俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
家で柊弥さんの帰りを待っていると、帰って来たのは夜11時過ぎていた。
「お帰りなさい」
「ただいま、起きてたの?」
「心配で・・・夕食、食べましたか?」
「食べる時間が無くてね。適当に食べるから、寝ていいよ」

疲れているのが目に見て分かる。
それでも、優しく微笑みながら私の頭を撫でて、ネクタイを外していた。
「消化のいい物でポトフ作りましたから、温めますね」
「ありがとう。その間シャワー浴びてくるよ」

シャワーの後、食事をしながら今回の経緯を話してくれた。

1番手でプレゼンの日程が決まっていたけど、先方の都合で、日程変更の連絡が来ていたのを、ニューヨーク支社の担当が、見過ごしていた。
たった半日・・・
連絡が遅れただけで、3番手になった。
1、2番手は、ドイツとフランスの大手医療機器メーカー。

「今回の提供は2台だけだ。1、2番手で1台ずつとしても、もう、うちには回ってこない」
「プレゼンだから、まだチャンスがあるじゃないですか?」
「何故かF&Dは、1番手と取引をする事が殆どなんだ。だからどこも必死なんだよ」
「そんなの、タイミングだけの問題なのに・・・」
「もちろん、約束を取り付ける時、アプローチはするよ。1次選考みたいなものだ」
「大変なんですね・・・」
「今回は、和弥が1番手の約束を取り付けたけど、油断したな・・・」
和弥さん・・・責任感じてるだろな・・・
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