俺に夢中になれよ~純情秘書は溺甘副社長の独占欲を拒めない
【愛の深さの選択の先は・・・】
翌週には、F&Dから、CEOの訪問について、連絡があった。
「ジョンソンさんが、花純にも同席して欲しいって」
「はい・・・流暢に英会話出来ないですけど、大丈夫でしょうか・・・」
「大丈夫だ。ジョンソンさんは、日本語が話せるから、花純には日本語で話してくれるよ」
「そんな場所に慣れてなくて・・・上手く立ち回れるかも心配です」
「仕事の話だから、花純が心配する事は無いさ」

隣には柊弥さんがいるし、困っていたら、きっと助けてくれるし・・・
断るのも失礼だし・・・
「・・・それでしたら、せっかくのお言葉なので」

晴海商事にとっては、大切な取引先の、それもCEO。
今後の晴海商事のために・・・失礼のないようにしないと・・・

F&Dと取引出来る事は、晴海商事にとって、今後、世界で飛躍する大きなチャンスだと、海外営業の石川部長が凄く喜んでいた。

管理部長は、これからの海外案件に向けて、語学、法務を強化させるため、専門部署を起ち上げる事も念頭に入れようと、柊弥さんに提案していた。

会社全体が、活気に溢れてきている。
柊弥さんは、経営者として、全てに耳を傾け、指示を出していた。

「何もお力になれず、すみません・・・」
あまりに忙しい柊弥さんの仕事を、手伝えない自分が情けなくてつぶやくと、
「花純が傍にいるから、俺は頑張れる。花純は、出来る事を手伝ってくれて、俺の傍にいてくれたら、それだけで力になるから」
忙しい中でも優しく微笑み、傍に来て私を抱きしめてくれた。
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