女子高生と同居することになった!

1話. あなたの女になりたいです!

1章

1話. あなたの女になりたいです!


いつの間にか仕事の時間が終わりかけていた。 球団事務所にいた職員の大半は退勤し、事務室は寂寞感が漂った。

「退勤…···…しないんですか?」

レンより2歳年下のシユキは事務所職員で球団職員が外に出た時に電話に出る業務から始め球団フロントの家事を引き受けてやっていた。

レンはしゆきをじっと見つめ、答えた。

「退勤ですか?やらないと。 仕事が終わったら先に退勤してください」
「あの、芹沢さん…···…。」

レンは何が起こっているのか気になり、顔を上げてシユキを見た。 シユキは何か決心したようにレンに言った。

「夕飯おごってくれませんか?」
「夜ご飯ですか?」
「はい、おなかがすいています。」
「お腹が空いたら先に退勤して 召し上がればいいんじゃないですか?」
「私は一人ご飯があまり好きじゃないんです。 あと、芹沢さんに聞きたいこともありまして。"
「私にですか?」
「はい。」

レンは自分に何が気になるのか考えた。

「何ですか?今聞いてくれませんか?」
「球団のこともあるし、ただあれこれ気になって。」
「そうなんですか、私はまだ仕事がちょっと残っているんですが」
「じゃ、待ってます。」

頑なに待つと言ったら、レンとしてもそのまま行けと送り出すこともできなかった。
実は誰かとご飯を食べる気分ではなかった。 12月上旬も過ぎ去る時点だが、まだ外国人投手1人と契約が結ばれておらず、団長が激怒したため、球団事務所の雰囲気は重かった。

レンは仕事を終えてコンピューターの電源を切ってカバンを持っていった。 自分の席で待っていた。
シユキが尋ねた。

「全部終わりました。」
「はい、全部終わりました。」
「じゃあ、早く行きましょう。 芹沢さん、車を持ち歩いてますよね?」
「車は持ち歩いてますよ。」
「じゃあ、どこかに行って美味しいものを食べましょう。」

シユキはまるでレンと付き合っているかのように気兼ねなく話した。

レンはシユキと一緒に駐車場に行き、リモコンキーで車のドアを開けた。 レンは内心、シユキが後部座席に座ることを願いながら言おうとしたが、シユキはいつの間にか助手席のドアを開けて席に座ってシートベルトを締めた後だった。

レンはエンジンをかけながら独り言のように言った。

「どこへ行こうか?」

それを聞いて隣の席でシユキが言った。

「ご飯も食べてお酒も飲める所に行きましょう。」
「私はお酒好きじゃないんですが…···…。」
「でもたまに一回飲むのはいいんじゃないですか?”
「運転もしなければなりませんので。」
「芹沢さん、私は肉が食べたいです。」
「分かりました。」。」

レンは会社から遠くない焼肉屋に行った。 繁華街のビルに駐車をして1階にある飲食店に行ったらお客さんがかなり多かった。

レンは中をのぞき込み,シユキに尋ねた。

「ここ大丈夫ですか?」
「空席はありますね。 駐車までされたのでそのまま入ってください。」

レンとシユキは室内に入り、空席に座った。 レンはメニューを見て言った。

「牛カツ大丈夫ですか?」
「はい、いいですよ。 そして生ビールも飲みたいです。」

レンは牛カツと生ビール、そしてサイダーを一つずつ注文した。 しゆきがそばで言った。

「芹沢さん。生ビール一杯くらいは飲んでもいいんじゃないですか?」
「私は大丈夫です。 シユキさん、思う存分召し上がってください。」
「車のせいですか?」
「自動車もそうですが、お酒自体があまり好きではありません。」
「あら、お酒はどうして好きじゃないんですか?」
「まずかったんですよ。」
「え?」

サイダーは体には良くないかもしれないけど、おいしくて飲んでるんですけど、お酒はどんな味か分からないんですよ。 たまに美味しいお酒もあるんですが、あまり飲まない体質でもありますので。」
「そうなんですか?」

注文した肉と生ビール、コーラが出てくると、シユキがジョッキを持って言った。

「芹沢さんのはサイダー勝つけど、それでも乾杯しましょう。」

レンはそわそわした雰囲気の中でシユキと乾杯した。 シユキは生ビールを一口飲んで言った。

「あ、気持ちいい。 芹沢さんは、このおいしいものがなぜ好きではないのかわかりません。」
「私はサイダーの方がずっとおいしいです。 三ツ矢サイダーが一番おいしいです。」
「もちろん、仕方ないですね。 ところで、今日のオフィスの雰囲気は本当に良くなかったんですよ。」
「他の球団は外国人選手の契約がすべて終わったんですが、12月中旬になるまで私たちは外国人投手一人と契約できなかったからです。 どうしても外国人選手がチームの戦力に占める割合が大きいですからね。 契約しようとしていた選手は、急に気を変えて何かこじれますね。」
「でも芹沢さんは国内スカウトチームですから何の責任もないじゃないですか。」
「そうですね。 それでも球団全体のことですから、どうしてもそうするしかないですよね。 早く外国人投手一人の契約が結ばれてこそ、安心できるはずです。」
「ところで、芹沢さんは本当にすごいですね。」
「何がですか?」
「国内スカウトチームの他の方々は30代ですが、一番若いながらもチーム長を務めていらっしゃるじゃないですか。」

レンが所属している球団には国内チームと海外チームなど2つのスカウトチームがあり、レンはその中で国内チームのチーム長を務めていた。 国内スカウトチームでも20代後半のレンは若い方だったが、能力を認められてチーム長になったのだった。

事務室にもたまに立ち寄ることはあったが、レンは主に外を歩き回りながら選ぶに値する選手たちを物色するのが仕事だったので、高校野球大会や大学野球大会などを見に行くのにほとんどの業務が外回りだった。

選手を見る目も優れており、渉外する実力も優れているため、国内スカウトチームのチーム長になったのだ。 幼い頃からあまりにも野球が好きだったので、選んだ仕事だったが外回りが多くて決して簡単なことではなく、ストレスもあれこれたくさん受けた。

シユキが生ビールを一口飲んでから肉を食べながら尋ねた。

「芹沢さんはもともと野球が好きでしたか?」
「はい。幼い頃から好きでした。 ところで、選手になるほどの素質はなくて、高校の時から野球
関連の仕事をしたいと思っていたら、こうスカウトされましたね。」
「もともと野球が好きだったんですね。 ところで、有望株もよく選んできて、選手を見る目が卓越しているようです。」
「そう見えますか?」
「いや、実は他の方々がおっしゃった話をそのまま移したんです。 球団内でも能力が認められていますからね。 考えてみたら、私が会社に入る前からスカウトチーム長でしたよね?」
「はい、2年になりますね。 スカウトチームで働き始めたのは4年になります。」
「わあ、もうそうなりましたか?」

シユキは感心しながら話し、グラスにあるあまり生ビールを飲み干した。 それからレンに聞いた。

「もう一杯飲んでもいいですか?」
「そうですか?」

シユキは2杯目はもっと速いスピードで飲んだ。 二杯とも飲んだ時は顔が赤くなっていた。

「しゆきさん、大丈夫ですか。」
「はい。 私、びくともしません。 ところで、お腹がいっぱいなのでよかったらちょっと涼みに出かけませんか?」
「そうですね。」

飲食店の外に出ると外には広場があり、広場の中には噴水もあった。 冬なので噴水は出なかったが、あまり寒くなかったせいか広場にはかなり多くの人が出ていた。

「芹沢さん。」
「え?」
「私のことを気楽にシユキちゃんと呼んでください。」
「私はこのまま長谷川さんでも大丈夫です。」
「でも私は芹沢さんと距離を縮めたいんですよ。」
「ところで、私が慣れていないんです。」
「芹沢さんは彼女いますか?」
「彼女ですか? それはなぜですか?」
「ただ気になって。。」
「彼女はいません。」

レンの返事にシユキはそっと微笑んで言った。

「私には彼氏がいましたが、別れて1年以上です。」

レンはなぜシユキが聞いてもいない話をあえてするのか理解できなかった。 シユキはレンの顔をじっと見つめながら再び言った。

「それでは私たち二人ともソロですね。」

それは正しい事実だった。 シユキは黄褐色に染めたウェーブの髪にコートを羽織っていたが、体にぴったりフィットする白いクロップTシャツは初冬なのにへそを出し、タイトなHラインスカートに黒いストッキングを履いていてセクシーだった。 それに街灯の光の下で見ると、さらに魅力的に見えた。

レンはシユキの目を見合わせて、目をそむけて答えた。

「それではシユキさんはまた彼氏を探せばいいですね。」
「やっと見つけました。」
「え?。」
「新しい彼氏にしたい男をついに見つけました。」
「そうなんですか、よかったですね。」
「その男が芹沢さんです。」
「え?」
「実はずいぶん前から芹沢さんを見守っていました。 外回りが多いので事務所にはあまりいらっしゃらないのですが、それでも事務所に来るたびに芹沢さんの顔を盗み見したりはしました。」
「……。」

それは本当に意外だった。 その日、会社から帰る前にシユキが夕食をおごってくれと言った時から何か気配が変だという感じはしたが、前からシユキがレンのことを目にして見ているとは知らなかったためだった。 シユキはレンに近づき、言った。

「芹沢さん。 私たち、付き合いましょう。 芹沢さんの女になりたいです。」


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