女子高生と同居することになった!

8話。また高校生になった

8話。また高校生になった

レンは長い間鏡をのぞき込み,凍ったように立っていた。 まったく信じられないことだった。
時間天使リナがレンが10年前にタイムスリップしても28歳のまま行くことになると話したりもし、実際に10年前に戻ってはいるが、レンは28歳の体に戻ったことも間違いなかった。 ところで、どうやってまた10代の少年になったの?

レンは長い間、トイレの鏡をのぞき込んでいたが、学校から抜け出そうと思いながらトイレから出てきた。

「芹沢蓮!」

その時、誰かがレンを呼んで振り返ってみると、ある教師がレンを呼んでいた。 すると彼はレンに近づき、言った。

「おい、先生に会ったら挨拶しないと。何をそんなにぼんやり見ているんだ? しばらく学校に来なかったのに担任の先生の顔も忘れたの?>

レンはその時になってようやく担任の先生だということをはっきりと知った。 学校から抜け出そうとしたが、よりによってその時に出会ったのだ。

「私が次の時間は授業がないから一応教務室に行こう。>

レンは担任の先生について教務室に行った。 そして、しばらく担任の先生と会話をした。 レンは学校に出られない事情があると言いながらも、詳しくは言わなかった。 いや、何も言えなかった。 しかし、担任の先生はゆっくり話そうと言いながら、無条件に翌日から学校に来なさいと言った。

無理に答えて教務室を出るとレンは混乱に陥った。 従兄のふりをして学校に出られないと言おうとした計画が水の泡になってしまったのだ。

教務室を出るともう授業時間が終わって休み時間だった。 ところが、レンは廊下を歩いている途中、その場で凍りついたように立ち止まった。 向かい側から歩いてきているアカリと目が合ったのだ。 あかりもれんと出会うと、その場で立ち止まった。 レンは頭の中に何も浮かばなかった。

<あかり!>

レンは思わずアカリの名前を呼んだ。 アカリはしばらく信じられないようにレンを見て答えた。

「芹沢蓮だよね?」
<うん。>
「どうしたの?」
「私も分からない。 どういうことか···…。>

あかりは周囲の視線を意識したように小さく言った。

<後で携帯に連絡してくれ。>
<分かった。>

レンはそう言って学校を出た。 実にあきれたことだった。 一体どんな魔法にでもかかって高校生の姿に変わったのか分からなかった。

バス停でバスを待っていると、そこで数日前にアカリに会ったことを思い出した。 アカリも28歳の体で現れたレンが、再び高校生の姿で学校に現れたのを見て、おそらく慌てたのだろう。 レン自身も混乱しすぎてすぐには見当がつかなかった。

レンは再び高校生の姿になった自分の顔を確認するために携帯電話を取り出し、カメラを自撮りモードに切り替えた。

「あっ!」

レンは自分の目を疑った。 自撮りに映った顔は高校生の時の顔ではなく、28歳のレンの顔だった。

-どうしたの? なんでまた変わったの?

レンは時間天使なのか、リナなのか、その女性がそばにいるなら今ふざけているのかと問い詰めたかった。 いや、いったいどういうことなのかを聞きたかった。

原宿行きのバスが来ていた。 レンはバスに乗ろうとせず、再び学校に向かった。 もしかしたらと思ったからだ。

学校は授業中なので運動場で体育の授業をする生徒たちの声が聞こえるだけで、廊下は静かだった。 玄関に入った瞬間、後ろから走ってくる音が聞こえ、ある男子生徒が言った。

「どけ!私、急いでるんだよ!>

男子生徒はそう言ってからトイレの方に駆けつけた。

「今、何て言ったの?>

レンは一瞬変な思いをしてトイレに入った。 そして、鏡を見た瞬間、自分の姿が再び高校生に戻ったことを発見した。 その瞬間、戸惑うことができなくて頭が白くなる気分で、何も考えられなかった。

-これはどういうこと?

レンは今、間違いなくタイムスリップして10年前の世界に来ていた。 学校と学校周辺にある建物、そしてレンの家がある原宿の方はすべて10年前の姿だった。 ところが、いったいどんな魔法にかかったのか、レンの体は10年の歳月を越えて行ったり来たりし続けるのか理解できなかった。

レンは再び校門を出ると、ふとある考えを思い出した。 レンは校門の外に出るやいなや携帯電話の自撮りモードを通じて自分の姿を見た。

「はっ!」

レンの予想が合致した。 校門の外に立っているレンは28歳の姿だった。 レンは校門の中に戻り,携帯電話を見つめた。 すると、再び18歳の高校生の姿だった。 レンは校門の周りに誰がいないかを調べながら、何度もそのように繰り返した。 そして、自分の体が学校の外にある時は28歳の姿で、そして学校の中に入ると18歳の高校生に変わるという事実を知った。

レンは信じられないことを何度も確認し,自分の家に戻った。

-どうしよう? どうすればいいの?

その日現れた現象どおりなら、学校に行かなければ問題はなかった。 学校の外ではレンの体が変わらず、どこでも28歳の体だからね。

レンはじっくり考えて、学校に行けば学生と学生としてアカリに会えると思った。
私がタイムスリップして10年前の世の中に来た理由はアカリのためだよ。 それなら、もしかしたらこれはいい機会かもしれない。

レンは一応学校に通ってみることにした。 そのためには制服と様々な準備物が必要だった。 レンはすぐに外出し、原宿駅周辺の制服屋に先に駆けつけた。

制服を注文してからは学校に持ち運べるカバンと必要な文房具類を買い歩く 見ると、数時間があっという間に過ぎた。

「私が10年ぶりにまた高校生になるのかな?」

考えてみれば本当に大変だった高校時代だった。 レンだけではないだろう。 日本の学生たちは一番明るくて楽しくなければならない高校時代をほとんど入試準備のために苦労するだろうが、レンには本当に記憶に残る楽しい記憶がない時代だった。 ところで、またその高校に行くことになった。 もちろん、それはレンの意志によるもので、学校に行く理由はただ一つ、アカリのためだ。

レンは担任の先生に今週中にまた学校に行くから少しだけ待ってほしいとメッセージを送り、担任の先生からもそうしろと返事が来た。

その週の木曜日からレンは学校に通い始めた。 問題は登校時だった。 レンの体が急に10年若くなる姿を他の学生たちに見てはならないためだった。

レンは悩んだ末、とても早く登校することにした。 約10年ぶりに制服を着て学校に行き、レンは再び高校生になるというときめきではなく、高校生の身分でアカリに再び会えるというときめきでいっぱいだった。

「おい、芹沢蓮。 最近どうして学校に来なかったの? 久しぶりだね。>

そう声をかけてくれる友達もいたが、ほとんどのクラスメートはレンを見ても知らんぷりをした。 レンはほとんど一人ぼっちのように過ごしていた高校時代を思い出した。

もともと親和力が良くて友達も多かったレンが口数が少なくなったのは高校の時からだったが、高校入学の頃に両親が離婚して父親と一緒に暮らすようになってからは全く別人になってしまった。

高等学校に通う当時に他にすることが当然なくて勉強をかなり熱心にしたレンだったが、28才の状態で学校に来たら10年前に学んだ内容は集中もよくできなくて授業には興味がなかった。

レンは授業時間に他のことを考えながら時間を過ごし、休み時間になるとわざと3年2組の教室の近くに行ってのぞき込んだ。 アカリの姿を見ることができるかと思っていたからだ。

休み時間ごとに廊下に出ても姿を見ることができなかったアカリは、最後の1時間の授業を残した休憩時間になってようやく見ることができた。 あかりは制服を着ているれんを見てびっくりした。 アカリがゆっくり通り過ぎると、レンは小さく言った。

「後で連絡するよ。>

レンは授業を終えて学校を出た後、携帯電話を取り出してアカリにメッセージを送った。

<私、今日から学校に出ることになったの。>

あかりからはまるで待っていたかのように早く返事が来た。

<どうしたの? 昔の姿に戻ったの?>
<それがね。 後で会って話すよ。 私もちょっと説明が難しくて。>
<明日部活動があるの知ってる?>
<明日?>
<明日は金曜日じゃない?>
<部活動が金曜日だったんだ。>
<明日部活動の時会おう。>
<分かった。 明日行くよ。>

アカリはレンが覚えていないかと思って部活動をする教室がどこかも教えてくれた。

翌日、レンは一般科目の授業が全て終わり、部活動をする教室に行くことを考えると心臓が震えた。 教室のドアを開けて入った瞬間、後ろに座っているアカリの姿が目についた。 アカリと目が合った瞬間、レンは心臓が止まりそうだった。
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