女子高生と同居することになった!

9話。土曜の夜にかかってきた電話

9話。土曜の夜にかかってきた電話

レンはしばらく落ち着きを取り戻し,空席を見つけた。 それから窓に近い一番奥の席を探して座った。 瞬間的に座る席を探しながらも、その席に座ればアカリの顔をちらっと見ることができると思ったのだ。

すでに部活動教室には多くの生徒が座っていた。 しかし、あかり以外は誰も覚えていなかった。

-そうだね。僕は10年前の世界に来たんだから、 10年の歳月が流れたんだ。 だからよく思い出せないだろう。

授業時間になると映画部の担当教師が入ってきた。

「お前たちの中で恋愛してるやつらいるだろ?」

生徒たちは返事の代わりに突然担当教師がなぜそのような質問をするのか気になるのか、きょとんと見てばかりいた。

「間違いなくあるだろう。 それとも恋愛をしたいとかね。 それで今日はロマンス映画を見て簡単な感想文を書く授業をしようと思う。」

担当教師が選んできた映画はロマンス映画だったが、高校生が主人公として出てくるので共感できる内容だった。

しかし、レンは映画が上映される間、アカリの顔だけをちらりと見ていた。 窓側の一番隅の後部座席に座った理由は、そのようなレンの姿を他の学生たちには見られない位置にあるためだった。

授業時間を20分ほど残した時、担当教師がA4用紙を1枚ずつ配ってから話した。

「さあ、ここに感想文を作成して出して。 学年、クラス、名前を書くのを忘れないでね。」
生徒の一人が尋ねた。

「いくら使えばいいですか?」
「一枚いっぱいにすればいいけど、自分で書けるだけ心を込めて書いてみて。」

生徒たちは感想文を書き始めた。 レンは映画を見たが、まともに見ずにアカリの横顔だけを見たためか、どんな内容だったのかもよく思い出せなかった。 レンは感想文をどう書くか悩んだ末、簡単に書いた。

<映画を見ながら主人公たちがお互いを深く愛する気持ちが感じられた。 私も誰かをそんなに深く愛したい。 そして、男主人公がとても羨ましいとも思った。>

それがレンが書いた感想文のすべてだった。 レンとしては短く書いたが、心を込めて書いたものだった。

学生たちが感想文を書き終えた頃、授業時間が終わった。 レンは担当教師が教室のドアを開けて出て行く瞬間、アカリに近づいて何か声をかけてみようと思った。 ところが、映画鑑賞部の学生たちが抜け出している時、男子生徒たちがあかりに近づき、声をかけた。

「ちょっと時間ある?」

あかりはあわてて答えた。

「行かないといけないのに。」
「ちょっとでいいよ。」

あかりが起きようとすると、男の子は無理やり止めながら言った。 あかりは起き上がろうとしてまた席に座った。

レンはその姿を見て、蓋が開いていた筆箱を軽く押してわざと教室の床に落とした。 そして、落ちた筆記用具をわざとゆっくり拾い上げながら、男の子が何を言っているのか耳を傾けた。

「携帯番号教えてくれない?」
「いやだってば。」
「なんで教えたくないの? 私くらいなら大丈夫じゃない?」

その男の子は、以前アカリが言っていた男の子に違いない。 あかりが言ったとおりかなりハンサムな顔だった。 しかし、少し揺れる印象だった。 あかりの声が聞こえた。

「私は彼氏と付き合うことに興味がない。」
「今から関心を持てばいいんじゃない?」
「私にはそんな余裕もないし…···…彼氏いらないよ。」

ところで、その男の子は粘り強く言った。

「私が付き合う女の子がいないからだと思う? 私のことが好きな女の子が多いんだ。 中島俊介をばかにするなって! あと、この前までは彼女がいたんだけど、割れて今ソロなんだ。 まあ、私がこれ以上付き合いたくないと言ったんだけど。」
「私はそんなこと知りたくないんだ。」

あかりはそう言って席を立って教室のドアを開けて出て行ってしまった。

「おいおい、ちょっと待って!」

男の子はアカリを歌いながら教室の外について行った。 レンも後を追ってみた。 しかし、あかりはその隣のクラスの男の子が呼んでも返事もせずにそのまま行ってしまった。 レンは部活動を共にしながらも授業が終わった後にアカリと一言も話せなかったのが残念だったが、それでも幸いだと思った。

ところが、その日授業を終えて校門の外を出た時、あかりからメッセージが来た。

<今学校を出たの?>
<うん。家に帰ろうと思って。>
<私もどうなったのかあれこれ気になって部活動が終わったら聞こうとしたが、その男の子が声をかけてそのまま出てしまった。>
<君がこの前話したあの隣のクラスの男の子だよね?
<うん。>
<君を見るたびに話しかけるみたいか?>
<そうだよ。>
<君がとても気に入っているようだね。>

分からない。どうして私にそうするのか分からない。 自分のことが好きな女の子が多いんだって。

<私も隣でその話を聞いた。>
<ところで、君はどうやって10年前の姿に変わったの? もちろん、君の言う通りなら、私には未来の姿で現れた君が現在の姿に戻ってきたけど。>
<私もどういうことなのか分からない。 ところで、確かなことは私が学校の中に入ると高校生の時の姿に変わり、学校の外に出るとまた今の姿、だから君には未来の姿に変わってしまう。>
<それでは今は学校の外に出たからまた未来の姿なの?>
<うん。>
<どうしてそんなことがあり得るの? 確かに10年後の未来でタイムスリップしたことからが信じられないことだけど。>
<私もどういうことなのか分からない。 本当に混乱する。>
<とりあえず分かった。 明日から週末だから来週会おう。>
<うん。>

レンはそのようにアカリとメッセージをやり取りし、家に帰った。 自分を中島俊介だと言ったその男の子がしきりに気になった。 アカリが携帯電話番号を教えもせずに避ける姿を見て安心もしたが、そのハンサムな奴がしつこくアカリに求愛すればどうなるか分からないことだった。

アカリがレンに携帯電話番号を教えたのもそうだし、対話をしたりメッセージをやりとりしたのもレンが10年後の世の中で28歳青年の体でタイムスリップしてきたためであり、そうでなければアカリがレンと特別に何かを話したり連絡することもないだろう。

レンは家に帰ったが、頭の中はとても複雑だった。 アカリにぜひ会いたいと思って時間天使リナとの駆け引きを通じて10年前の世界にタイムスリップしたが、10年前の世界で18歳と28歳の年を行き来しながら暮らすようになり、学校に通うようになったことを考えると本当に混乱した。 頭の中が複雑で食欲もなかった。 コンビニで買ってきた食べ物を食べながら閉じこもって週末を過ごしていた。

ところが、土曜日の夜10時頃にメッセージが来たという通知が携帯電話で鳴った。

-誰だろう?私に連絡する人がいないと思うけど?……

10年前の世の中に来て、レンと電話やメッセージで連絡をしたのは担任とアカリだけだった。
さて、それはあかりからのメッセージだった。

-この時間に何があったんだろう

<レン。 今もしかして電話してもいい?>

なぜその時間にメッセージを送ったのかは分からなかったが、レンはメッセージを確認してすぐに電話した。 あかりがすぐに電話に出た。

「この時間にごめんね。>
「何かあったの?」
「今…···…会える?」
「今?どこで?」
「学校前のバス停。 そこしか思いつかないところがなくて。>
「今すぐ出かけるよ。 君は今どこにいるの?。>
「学校の近くにあるよ。>
「待ってるよ。 着いたらすぐ電話するよ。>

レンはアカリになぜ会おうと言うのか聞かず、服を着てアプリでタクシーを呼び出した。 10年前の世界にタイムスリップしながら自動車は持ってこなかったので、今のところタクシーに乗って行くのが一番早かった。

窓の外を見ると雨がしと降っていたのでレンは傘を持っていった。 そして、レンはタクシーが到着すると、それに乗って約10分で学校の前に到着した。 そして、学校の前のバス停で降りた後、すぐにアカリに電話した。

「私、今着いたよ。>
「早く来たね。 私、近くにいるからすぐ行くよ。>

3分足らずでアカリがバス停の方に歩いてくる姿が見えた。 あかりは傘もなく雨に降られて歩いてきていた。 あかりはれんを見るや否や駆けつけて言った。

「この時間に出させてごめんね。。>

そう言っているあかりの顔は青ざめていた。 レンは慎重に尋ねた。

「何かあったの?。>
「お父さんのせいで家を出たの。>
「お父さんのせいで?>
「お父さんと喧嘩したんだ。 いや、喧嘩というよりは一方的にやられたんだけど。 家から出ろと言われて逃げるように出てきた。>

春だったが夜なのに雨が降っていたせいか、それとも家での出来事のせいか、あかりはぶる震えていた。

レンは原宿の方にある夜遅くまで営業しているカフェを思い出した。

「とりあえず私とどこかに行って温かいものでも飲もう。>

レンは再びタクシーを呼び出した。 そして、タクシーを待っている間にあかりに傘をさしてあげた。 タクシーは呼び出して3分足らずで到着した。 そして、約10分で原宿駅の方に着いた。
タクシーを降りたときは雨がもっと降っていた。 レンはタクシーを先に降りた後、アカリに傘を差した。 そして、照れくさそうなあかりに言った。

「カフェはすぐそこだけど、雨に降られてはいけないから、もう少し近くに来て。>

れんの言葉にあかりは傘の中にもう少し入ってれんを見た。 レンはぶる震えているアカリの目つきがなぜかきれいに感じられた。
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