極上御曹司の純愛〜幼なじみに再会したら囲い込まれました〜
流されるまま
――それからは一夜くんの見守りをしつつ、一緒に遊んだり生活全般のお世話をしていた。

時々一夜くんのママからテレビ電話がかかってきて、いままでの様子や保育の内容について伝えたり一夜くんが直接会話などをして過ごした。

急に決まったシッターのお仕事で、直接一夜くんのママとは顔も合わせず保育を行っているのが心配だったけれど、意外と能天気な方で『適当に相手してくれていいからね~』と気楽な返答をもらえている。

とはいってもやはり幼児の見守りは慎重に行いたい。何事もなくこの仕事を終えることが私の責任でもあるのだから。

お昼寝から目覚めた一夜くんとおやつを食べにダイニングへ行くと、穂乃果さんが美味しそうなほかほかのマドレーヌを焼いてくれていた。

一夜くんもマドレーヌが好きなようで、お喋りもせずパクパクと口に運んでいる。

「一夜くん、お菓子は逃げていかないからゆっくり食べるんだよ」
「おかしにげゆの?」
「えーと、逃げるというか……」

子供に説明するのって難しいと思いながら、どうやって理解してもらうか考えていると背後からいきなり声がした。
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