秘密
 映画が終わり、感想を聞かれた。
 二人で遅くなったランチをしに、映画館に併設されているフード街にあるイタリアンカフェに入った。オリーブの木やレモンの絵などが飾られている。彼はナポリタンをくるくるさせながら、

「どうだった?」
「…面白かった。でも結構考えさせられた」
「泣いてたもんね。実際入り込めるくらい面白かったし」

  そういって、口にパスタを巻きつけたフォークを運んで「これ美味しい」と喜んだ。
 私はオムライスを頼んでいたので、私も同じように味わう。卵がふわふわで美味しい。
 でも、映画の余韻が凄くてゆっくりでしか食べれなかった。咀嚼している間も、考えてしまったのはクライマックスのシーンのことだ。

「………オムライス、あんまり美味しくなかったりする?」
 そう聞かれ、我に返った。私は、うんうんと首を左右に振った後、言葉を選んで話した。

「映画の最後のシーンがどうしても受け入れられなくて」
「……どうして?」

 彼は面白そうに問いかけた。気分を害してないことにほっとして、理由を述べた。
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