秘密
「確かに眩しい、あー見えない見えない」
「…俺の扱い方を正しく分かってるようで」
「本当?嫌だったらちゃんと教えてね」
「嫌じゃないよ」
彼は行こうか、と映画館のある方に歩き出した。足取りは合わせてくれているみたいで丁度並んで向かう。今日の映画はサスペンスとアクションが混じっているような映画を見に行くことにした。あらすじはよくある知らない間に事件に巻き込まれ事の真相を知っていく、というありがちのものだ。だけれど、評判がよく、折角だからと見ることにしたのだ。
映画館について、ドリンクとポップコーンを買ってもらってふかふかとした座席に座った。平日昼間だからかばらばらとしか人がいない。真ん中の後方。上下左右には誰もいない。彼は映画が始まる前にポップコーンを摘まんだ。映画の予告が流れてきて、来春公開のものや、製作決定したものが次々とスクリーンに写し出される。一つの映画のリバイバル上映の案内で彼はへぇと物珍しそうに声を出した。