厄介払いされた聖獣王女ですが、冷徹なはずの皇帝陛下に甘やかされています
「弟を失うことは、覚悟していたのだが……。顔を見てしまっては、再び心を鬼にすることはできそうもない。特に母上は、臣下の前で泣き崩れるほど心を乱してしまった。今後のルークの処遇については、考え直さねばならないと思っている」
「よかった……」
目の端が潤むのを感じていると、ライズが少しだけ顔をしかめて、不満げに言う。
「それにしても。この間からフラン、おまえは私と共にいるというのにほかの男のことで頭をいっぱいにして……。そもそもあんな無謀な真似をして、おまえの身になにかあったらどうするつもりだ」
「ええっ!?」
意外なセリフと見たことのない彼の複雑な表情に、目を丸くした。
「それは……も、申し訳ありませんでした……」
あの行動は、ライズのためを思ってのことでもあったのだ。政治的な判断とはいえ、彼がこの状況を心から望んでいないことはわかっていたから。
けれども、それも理解した上でいじけているような、この態度。
「よかった……」
目の端が潤むのを感じていると、ライズが少しだけ顔をしかめて、不満げに言う。
「それにしても。この間からフラン、おまえは私と共にいるというのにほかの男のことで頭をいっぱいにして……。そもそもあんな無謀な真似をして、おまえの身になにかあったらどうするつもりだ」
「ええっ!?」
意外なセリフと見たことのない彼の複雑な表情に、目を丸くした。
「それは……も、申し訳ありませんでした……」
あの行動は、ライズのためを思ってのことでもあったのだ。政治的な判断とはいえ、彼がこの状況を心から望んでいないことはわかっていたから。
けれども、それも理解した上でいじけているような、この態度。