縁切りの神様と生贄婚 ~村のために自分から生贄に志願しましたが、溺愛がはじまりました~
「だけどあれは神域でしか育たない」
「それなら、私が菜園を大きくして、村に取れた作物を分けるというのはどうですか?」

お供え物として取れた作物を持ってくる村人は数多くいるけれど、こちらから作物を持っていった経験はもちろんなかった。
薫子の考えをすぐに許可することはできなかったが、それならできそうなことでもある。

「わかった。それならまずは菜園を大きくしてみるといい。作物がうまく取れたら、そのときにまた考えよう」
切神の言葉に薫子はパッと笑顔を咲かせたのだった。
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