縁切りの神様と生贄婚 ~村のために自分から生贄に志願しましたが、溺愛がはじまりました~
激しい痛みが腹部を襲い、顔をしかめた。
「痛っ……」

ズキズキと全身を貫くような痛みに、そのまま廊下に横になった。
「薫子!?」

動揺する神様に「神様、お湯を!」と、菊乃が叫ぶ。
菊乃は薫子を支えて寝室へと移動した。

そこにはいつなにが起きてもいいように布団がひかれている。
薫子はその布団に横になるまでにすでに額に冷や汗を浮かべていた。

「大丈夫よ薫子。安心してお産するといいからね。なにせ神様の子だもの。きっと安産よ」
菊乃に手を握りしめられて薫子は頷いた。

苦しい、痛い。
だけどこんなにも愛しい。
屋敷内に元気な赤ん坊の泣き声が聞こえてきたのは、それから数時間後のことだった。


END
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