恋、花ひらく
僕は手紙を受け取り、
広げて読んだ。
『悠稀斗へ。
さっきはすまない。
質問の答えは、
真菜を引き取るので
精一杯だったからだ。
あの頃は、会社を
立ち上げたばかりで、
2人いっぺんには
無理だった。
紀美子も嫌がるし、
やむなく施設に預けた。
許してくれ。
悠稀斗が言う
今さら、という言葉も
解る。その通りだ。
だが、私は君を
引き取りたい。
今すぐじゃなくても良い。
高校を卒業
してからでも良い。
やり直させてくれないか?
良い返事を待っている。』
手紙にはそう書かれていた。
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