恋愛教育のススメ〜イケメン副社長はド天然?教育係を任せれましたが地位は要らないので解放して下さい〜

Lesson4…部下は上司と距離を置く事にしました。

結局…

「マスターもう一杯!」

「またかよ。何杯目だ?」

「そんなの知らない」

生ビールからのハイボールの“いつものやつ”を何杯飲んだかなんて分かるわけない。

副社長と別れてmakarios(マカリオス)へ

「まあ桜子が酔いつぶれる事は無いから心配はしないが」

そう言ってハイボールをコースターに置いてくれる。

「明日はゆーっくり休むから良いの!」

副社長とお見合い相手が会ってるのに一人家に居るなんて考えても無理で駅で車を降り飲みに来た。

「あぁ〜今年最後の休みか」

年末年始に入る為テナントが少ない北館は他より集客は少ない。
だからと言って仕事が無いわけではなく円生に頼まれて西館のリニューアルの手伝いと橘チーフの南館のファッションショーの手伝いそして藍沢チーフの東館も。

先日会った時は何も問題無いように見せてた藍沢チーフは体調不良でお休みしてる。

「私が助けなくちゃ」

「俺はお前を助けなくちゃ!だよ」

マスターは苦笑いで私の言葉を置き換えた。

「もう私は大丈夫なの!!」

ハイボールをゴクゴクと胃袋に流し込み気合いと溢れる寂しさが入り交じる。

「何で今更…ザイオンス効果?」

何度も接触を繰り返すことで興味や好意を持つようになる心理学の話

あまりに副社長と近付き過ぎた。
最近は会う機会も増え副社長を深く知って今日の“デートの練習”で気持ちは確実な物に。

「ザイ何だって?」

マスターは丁寧に洗ったグラスを照明にあてながら私の話を聞いていた。

「ほらあれだよ。音楽とかCMでよく耳にするやつを自然と覚えてて口ずさむ事あるじゃない。」

「あるな〜。無意識に歌ってるやつ」

そう言うマスターはグラスを拭きながら口ずさんでるのは某CMの歌。

(簡単に興味持ちそうな性格だな)

マスターの口ずさんだのはカップ麺のCMでそのカップ麺を手に持ち「食べるか?」と聞いてくるからクスッと笑ってしまった。

私達は結構な頻度で会ってた。
その効果かも知れない。

円生の言葉がずしりと胸に重くのしかかった。



ーーブルッ

枕元に置いた携帯が震えたのが分かり眠い目を何とかこじ開け画面を見るとメールの表示が何件かある。

「今日くらい休ませてよ…」

何度か寝起きを繰り返して身体はあちこち痛い。

12月の窓の外はもう暗くて開けっ放しだったカーテンを閉めた。


ーーブルッ


また携帯が振動したのが分かる。
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