なぜか御曹司にロックオンされて、毎日ドキドキと幸せが止まりません!
お見合いパーティーでロックオンされる!
 悪夢のような現実の後、はじめて迎えた休日。

 地元から電車を乗り継ぎ、私は都内ターミナル駅からほど近い場所にある結婚式場へひとり出向いていた。
 そう。
 これから私は、ハイスペックばかりの男性が参加するお見合いパーティーに参加するのだ。
 家の危機を救うために、自腹で。

 女性側の参加費用は男性よりも安いとはいえ、成婚するまでの道のりを考えると決して安い額で済むとは思えない。

 だってどう考えても、いますぐにでも倒産しそうな会社の娘である私と、泥船に乗りたいハイスペックな男性がいるだろうか。
 もし私の立場が逆だったら、答えはノーだ。
 たとえば大富豪で、お金があり余っていて、人に施しを与えるのが好きだという変り者でもない限り、シンデレラストーリー的な逆転劇は起こらないと考えている。


 第一、私はまだ結婚なんてするつもりはなかったのだ。

< 2 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop