甘く優しくおしえて、ぜんぶぜんぶ。
「あのう…、今日はおふたり……だけ、で…?」
「うん。猿はデート、猫は安定の音信不通。かといってこんなザコに仲間たちを連れてくるまでもなさそうだしサ」
あの人がいるから、あの人が。
そう言ってから沙蘭くんは遅すぎるセリフを続けました。
「総長さーーん、あまり派手にやりすぎないでよーー?今日は僕しかいなくて後始末が大変なんだからー」
もうひとり。
暴れまくっている彼は一条(いちじょう)くん。
いつの間にか一掃されていたようで、軽くパンパンと手を叩いていた。
「───犬丸(いぬまる)」
と、こちらに向かってくる。
あたまを守りながら伏せていた身体が起こされて、怪我がないか入念なチェックが入った。
………の、だけど。
「うぅ……っ、うえぇ…っ、かなしい……っ」
「……!」
「うわっ、ちょっと待ってって。殺気殺気、お願いだから抑えてよ総長さん」