本当の復讐
強引なアイツ
周りの痛い視線から逃げるようにして、小糠雨の降る中、マルクと二人で家路を辿った。

「そういえば史奈、この前会ったのは金曜日だったよね。学校休んでたの?」

いきなりそれを聞かれて、ちょっと参る。

「もしかして、不登校?」

「そうじゃないわよ。確かにあの日は嫌なことがあって、病気でもないのに学校休んだけど。いつまでもそれじゃダメだと思って、すぐに復帰したから」

「へぇ。史奈って優しいだけじゃなくて、強いんだ」

優しいとか、強いとか、私は自分をそんな風に思ったことはない。

「私はそんなご立派じゃないよ。マルクは買いかぶり過ぎてる」

「そうかなぁ?まぁ、単に史奈があまりにも僕の好みってだけかもしれないけど。あ、誰か付き合ってる人はいるの?」

またしても、痛いところを突くような質問をしてくる。
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