本当の復讐
よく見る光景ではあるが、道の端で、一人のおばあさんがボックス型のシルバーカートに腰掛けていた。

そのおばあさんが、よっこらしょ…と立ち上がろうとした瞬間、バランスを崩して倒れてしまった。

「大丈夫ですか!?」

私は、おばあさんに駆け寄り、立ち上がらせた。

「ありがとう。人工関節が入ってるから、転ぶと立ち上がるのが難しくてね。助けてくれて本当にありがとう」

「お家まで送りますよ」

「優しい子だねぇ…ありがとう」

二人でゆっくりと一緒に歩いていた時、

「おばあちゃん!」

そんな声に振り向くと、まるで絵本から王子様が飛び出したのかと思うような、明らかに西洋の血を引いている、桁外れの美少年がこちらへ駆けてきた。
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