捨てられ秘書だったのに、御曹司の妻になるなんて この契約婚は溺愛の合図でした
節約が身に染みついている凛にとって、どれだけ亮介が大企業の御曹司であろうと、自分のためにたくさんのお金を使わせることにいまだに抵抗がある。
引っ越しに関しても、今回のドレスにしても、亮介はその気持ちをわかった上で、自身の要望だからと凛の負担にならないよう取り計らい、心に秘めたままの凛の希望を叶えようとしてくれるのだ。
「私、ドレス選びにひとつだけ譲れない条件があって」
「ん?」
「亮介さんが私に一番似合うと思うドレスが着たいです」
彼が選んでくれたリップのように、ドレスもまた、亮介が凛に一番似合うと思うドレスを選びたい。
そのドレスを身に纏えば、世界でいちばん幸せな花嫁になれるのだから。
「責任重大だな」
「よろしくお願いします」
結婚式の打ち合わせに向かう車内は、すでに幸せのオーラで満ち溢れていた。
Fin.


