捨てられ秘書だったのに、御曹司の妻になるなんて この契約婚は溺愛の合図でした
昨夜はイズミ百貨店の和泉社長との会食があり、凛も亮介に同行していた。
その後、和泉社長に「これからふたりで飲まないか」と誘われた亮介はそのまま彼と別の店へ移動することとなり、凛は先に帰宅したのだ。
久しぶりにアルコールを飲んだせいか少しふわふわした感じがあったものの、軽くシャワーを浴びて調べものをしていた。
確かにベッドで眠った記憶はないけれど、それはアルコールと軽い疲労のせいで覚えていないだけであって、きちんと自分で寝室へ行ったのだと思っていたのに。
「す、すみません……! お疲れで帰ってきたのに、お手間をかけさせてしまって」
恐縮して謝る凛を横目で見ながら、亮介は「可愛い寝顔が見られて疲れも吹っ飛んだ」と微笑んだ。
「ソルシエールのドレスはセミオーダーかフルオーダーのどちらかだろう。せっかくならフルオーダーで仕立ててもらえばいい」
「でも……」
「俺が君のためだけに作られたドレスを着ている凛を見たいんだ。ダメか?」
亮介の言葉に、凛はきゅっと唇を噛み締めた。
(私が素直に甘えられないから、こうして亮介さんのワガママみたいに言ってくれるんだ)