夢×恋グラフィティ
第4話❥タイミング
翌日の昼休み。
「ねぇ。何で、隣のクラスの真田くんと御井さんが一緒にいるんだろ?」
「誰に用事なんだろう…」
ヒソヒソと聞こえてくるのは、隣のクラスの子たちのそんなささやき声。
そりゃそうだ。
学校でも目立つ真田くん。
そして、なぜかクラスで浮いた存在の私が一緒に隣のクラスにやってきたわけだから噂をするのも当然だろう。
ちなみにグラフィティ部のメンバーである(らしい)鈴城くんは本日不参加。
先ほど一応声はかけたのだが…。
「そういうのは俺じゃなくて、唯月担当。御井ちゃんもサポートよろしくね〜」と、全く相手にしてくれなかった。
というわけで、現在私は真田くんと2人で隣のクラスに来ている。
目的はもちろん…。
「ねぇ!岸陽飛いる?」
「え、岸?おーい。岸、隣のクラスのヤツが用事みたいだぞ」
昨日、図書室で話していたグラフィティ部の最後のメンバー候補、岸くんの勧誘のためだ。
真田くんが廊下側に立っていた男子生徒に声をかけ、岸くんを呼んでもらう。