君の一番になりたい 〜空に羽ばたく宝石〜
那月side






「えと、わたしはほんとにちゃんと会話してくれることだけでも嬉しいよ。」





こんな考えを植え付けた彼女の笑い方は、
不自然で気持ち悪かった。





…………植え付けた彼女を助けなかったのは俺のくせにな。



萩野はいつからこう笑ってしまうようになって………いや、させてしまったんだろう。






小学生の頃の優しい太陽みたいな笑顔が見らなくなったのは助けられなかったから。





中学生の入学式の時はもうこうだった。


さらに酷くなっていったけれど。




きっと、小6の最後らへんとかからだと思う。



大体小6から友情がゆがんでくるから。





その時彼女を助けることができなかった俺。




あの時逃げて、今になるまで逃げ続けて俺に
助ける資格なんてないかもしれない。




けど、俺が好きなのはそんな作ったような笑顔じゃない。





萩野…………、李梨の心から笑った顔が
"また"みたい。




李梨には李梨って言う名前があってる。




今は、諦めてしまったせいでくすんでいる けど、隠れて光ってることも知ってる。




光を見せてほしい、李梨。俺が自信つけてあげるから……




ーーー

那月side end

< 9 / 60 >

この作品をシェア

pagetop