気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす
甘い折檻
𓆸 𓆸


事務所の入り口の前に立った瞬間扉が開いた。

自働なのかと思ったけどそうじゃなく、中にいた人が開けてくれたらしかった。


扉を抜けてすぐのところに人が立っていた。

手前に二人、奥に二人。


彼らはそろって頭を深く下げる。


「お疲れ様です、龍さん」


龍くんは小さく会釈しながら「うす」と応じている。


びっくりする光景だった。

扉付近に立っている彼らは、見た目からして確実に龍くんよりも年上だ。
一回り……いや二回りくらいは上なんじゃないかと思う。


ここでは年功序列は機能していないみたい。
……というより、龍くんだけが異例のようにも感じる。



「龍くんて本当にすごい方なんですね」

「そんなんじゃないですって。たまたま歴君の直下についてるってだけで」

「それをたまたまと言えちゃうのがすごいですよ……。それなのに私、龍くんとか親し気に呼んじゃって」

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