気高き暴君は孤独な少女を愛し尽くす

「叶愛サン、お疲れ様です」


放課後は、龍くんが車で迎えにきてくれた。


「わざわざありがとうございます。でも、一人で帰れるので、明日からはお迎えは大丈夫ですよ」

「いやいや、送らせてくれないと困りますって。歴君の命令ですからねー」


そう言われるので、ありがたく乗せてもらうことにする。


龍くんには今朝も送ってもらった。


今までずっと電車と徒歩だったのでなんだか慣れない。

急に贅沢になってありがたくはあるのだけど、身の丈に合わない感じがしてそわそわする。



「歴くんは今日もお仕事ですか?」

「っすね〜。あの人、山ほど案件抱えてんのにここ一週間サボり気味だったんで、たぶん今頃ヒイヒイ言ってますよ」


「っえ、そうだったんですか……」

「自業自得っすね。叶愛サンと少しでも長くいたい気持ちはわかりますけど」



家にいる間も割と忙しそうにしてたのに、あれでもサボり気味だったなんて……。

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