SENTIMENTALISM
eleven

すると綾子さんがいきなりあたし目掛けて飛び掛かってきた。そして冷たい手で、あたしの首を思い切り締め付ける。

「うるさいうるさいうるさい!!!アンタなんかに何が分かるのよ!!!アンタに何の価値があるの?!あたしはお金になるわ!!!あんたは何の価値がある?!?」

未だかつてみたことのないヒステリックに叫ぶ綾子さんの姿。驚きと息苦しさに、心臓がドクンドクンと悲鳴をあげる。

息が、できない。

「……あたしはもう自分に価値なんてなくていい……それでも生きていいって……慧斗に会って"またおいで"って言われたとき……そう感じたから……」

「黙れ!!!」

綾子さんの手に、さらに力がこもる。
あたしは眉間にしわを寄せ、歯をくいしばり、ひたすら堪える。

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