SENTIMENTALISM
そのとき、あたしは違和感を覚えた。
泣きついたあたし自身が違和感を抱くなんて、おかしな話かもしれないが
どうしても、ひっかかることがあった。
"自分は誰かのペアリングを簡単に譲る男なのに…"
部屋に入ったときは混乱して、すっかり忘れていたことが、すごずむ彼を前に今ぼんやりした頭に浮かぶ。
まだ出会って二ヶ月の人間のために、ここまで感情剥き出しにして怒るような人じゃないはずだ。
あたしはその違和感を咀嚼できないまま、当事者のくせにまるで取り残されたかのようにその場に突っ立っていた。