♂のボクは、♀︎に恋をしない

いただきます

「お待たせ致しました。メロンプリンアラモードとモンブランパフェです」
「ありがとうございます」
琉斗が手際よくお皿を受け取ってくれる。
「ご注文は以上ですか?」
「はい」
「では、ごゆっくりどうぞ」
お姉さんが去ると、琉斗は早速手を合わせてモンブランパフェにスプーンを入れた。
僕も食べようっと。
お水を1口飲んで、プリンにスプーンを入れる。
そっと口に流し込むと__美味しい!
メロンのあま~い味が広がって。
もったいなすぎて食べられないよ……っ。
まわりのオレンジやいちご、さくらんぼを先に食べる。
「あ、耀浬の1口ちょうだい。俺のもいいから」
「うん」
お互いのスイーツにスプーンを入れ、1口頬張る。
「ん〜!美味し~!」
「んまぁ、何これ」
ってか、これって……か、間接キス……!?
思わず顔が真っ赤になってしまったのを、慌てて隠すように手でほっぺを抑える。
そんな僕に気づく様子もなく、「これうまー」なんて言ってバクバクとスイーツを食べ進める琉斗。
「早いよ琉斗~」
「うるせー笑。美味しーんだよ、しゃあねぇだろ……」
そこまで言って、琉斗は言葉を切った。
……ん?なんだろ……。
「動かないでな」
そう言った瞬間、琉斗の顔が接近してくる。
えっ、えっ!?
思わずぎゅっと目を瞑ったとき。
ほっぺにふにっと感触が走って。
「ははっ、ほっぺにクリームついてやんの〜」
へ?
ほっぺに……クリーム?
それをぺろりと舐めた琉斗。
「あ、りがと……っ」
ドキドキする胸を抑えながら一気に水を飲み干した。
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