聖騎士さまに、愛のない婚姻を捧げられています!
「とはいえ、貴女にも祓魔士の血が流れているのだとしたら、魔印に抵抗する力があったのも当然かもしれないね。それに、そのペンダントも」
彼は感慨深い声を出した。
「おそらく、金石の力は眠っていたのだと思う。ラギドの気配に触れて、少しずつ目覚めていったのではないかな。そして貴女を守ろうとして、黒く染まっていった」
彼はすこしだけ不満げな顔をした。
「魔印の侵食が遅いのは私の手当が的確だからだと誇らしかったのだが、違ったようだね。そこだけは、ちょっと残念だな」
貴女を守るのは私だけだと思っていたよ、と夫の拗ねた口ぶりに、リリシアは穏やかに首を横に振る。
「そんな……貴方様の優しい手当ては本当に心が落ち着きました。でも、途中からは、とてもどきどきしてしまっていましたけれど……」
セヴィリスはぱっと彼女を見る。
「それは、私も同じだよ」
二人は同時に頬を染めながら、さらに寄り添い歩き続けたのだった。