断罪された公爵令嬢は自分が聖女だと気づき、甘い溺愛の中でもう一度人生をやり直す
そして、私の震える手を両手で包み込むように握る。




「言っただろう?私はこうして君の手を握れることが堪《たま》らなく嬉しい、と」

「エイリル、私はこうして君が不安な時に側にいたい。君の不安を和らげるのは、私でありたい」




グレン殿下が、涙を堪《こら》えるように少しだけ微笑む。




「もう、君を手放すことなど考えられない」




グレン殿下がそっと私の頬に手を当て、私に口付けた。






「エイリル、愛している」






グレン殿下がもう一度そっと私の頬を撫で、微笑む。

私はグレン殿下の笑顔につられるように、微笑みを返した。

私たちを照らす夕日は、美しく輝きを放っていた。

まるで、これからの私達の未来を照らすかのように。



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