断罪された公爵令嬢は自分が聖女だと気づき、甘い溺愛の中でもう一度人生をやり直す
グレン殿下がクスッと微笑む。


「そうだね、冗談はここまでにしよう。私は聖女リエナと会ったことがない。そして、私はこれから先も聖女リエナと会うつもりも言葉を交わすつもりもない。何故なら聖女リエナが人を言葉で操っている場合、王族である弟についで私まで操られては困るからね」

「そして、生徒であり聖女リエナと言葉を交わしているエイリル嬢は何故か操られていない。そして、私は聖女に関する文献を調べたら、ある情報が分かった。【聖女同士は力を使えない】」

「この言葉が正しいとすれば、エイリル嬢は聖女である可能性が高く、尚且《なおか》つ聖女リエナの力が効かない。そのことに気づいた聖女リエナが、君を追放しようとした可能性が高い」

「今、この状況で一番聖女リエナに対抗出来る可能性が高いのはエイリル嬢だろう。そして、私は君と手を組みたい。しかし、王族であり第一王子である私が高位貴族であるフォンリース家を理由もなく優遇するのは、疑問を持たれるだろう」


「つまり、私と婚約すればフォンリース家に頻繁に訪れたり、私に会ったり出来るということでしょうか?」


「ああ。父上、つまり国王も公爵家であるフォンリース家の長女と婚約を結ぶことに賛成している」


国王が賛成している、それはつまり拒否権は無いに等しいということだ。
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